実現可能性が出てきた影も出来ない透明マント
今日のブログは、12日と同様に、表のエッセイ「時間の岸辺から」と同文を掲載する。前回は、先にブログを書き上げてみたら、むしろ「表」にした方がいい内容だったので、後で表に同文を転載した。
今回は、先に表の方を書いてみたら、これは裏にしてもいい内容なので、こちらにも転載した。
要は、あまり表も裏も違いはほとんどない、ということか。
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人間が、SFの世界で長いことあこがれてきた夢の技術の双璧は、タイムマシンと透明人間であろう。
宇宙のどこかから、人類よりはるかに進んだ文明を持つ知的生命がやってきて、僕にこの2つの技術のうちどちらかを体験させてやる、といったらどちらを選ぶだろうか。
どちらの技術も、体験時間はきっかり5時間。タイムマシンで行くことが出来るのは、過去の1時点のみで、過去の人々からは僕の存在は見えず、歴史を変えることは出来ない。
透明人間になれば、5時間の間はどこでも動き回ることが出来、他の人に触ることもモノを動かすことも出来るが、自らが交通事故に遭うなどのリスクもあるとする。
僕が選ぶとすれば、やはりタイムマシンの方だろうな。なぜなら、タイムマシンならば過去の人たちから僕の姿は見えないため、透明人間を兼ねることになるからだ。
いつの時代のどの場面に行ってみようか。1時点のみ、時間は5時間となると、行き先選びはよくよく吟味する必要がある。
僕自身がいる場面にも行ってみたいが、僕がいなかった場面でどのようなことが起きていたのかを知ることもやってみたい。
タイムマシンは理論的には、ほとんど作成出来そうにもない。というのも、過去はそもそもどこかに存在するようなものではないらしいからだ。
それに比べて、透明人間の方は俄然、実現可能性の高い話になってきている。
米英の科学者たちが26日、米科学誌サイエンスの電子版に、「物体を見えなくする素材の開発は可能だ」とする論文を発表した、とニュースにある。
それによるとこの素材は、光の進む方向を制御できる特殊な構造を持ち、これでマントを作れば何もないように見えるばかりか、影さえも出来ないという。
新技術の例にもれず、はやくも軍事への応用に目がつけられ、米国防総省がこの技術開発を支援している、と報じられている。
軍事利用よりも先に、スケベな男たちは透明マントをどんなに価格でも買おうとするだろうし、そんなマントを着た不審者があちこちにいるとしたら、なんとも落ち着かない。
そのうち、透明物質や透明人間を検地して撃退する装置が開発され、さらにその装置にも検地されない高度の透明化技術が生まれて、いたちごっこか。
透明兵士たちが透明テロリストと戦うなんて、何がどうなっているのか、見ていても分からないだろうな、なんて思ったりする。
僕が透明マントを貸してもらったら、どこへ行こうかな、と考えると、やっぱりヤラシイことしか思い浮かばない。軍事よりはいいか、と思うんだけど。
(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の21世紀エッセイ「時間の岸辺から」は、このブログ記事と同文をアップロード。全く同じ内容にしています)
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