2050年の世界人口は現在の倍という戦慄の予測
日経新聞の夕刊に、戦慄すべき記事が小さく載っていた。
2050年の世界の人口は、これまでは93億人と推定されていた。
現在の世界人口は65億人だから、今後の44年間で28億人増える、と考えられていたのだ。
今日の記事では、国連人口基金(UNFPA)のオベイド事務局長が日経新聞に語ったところによると、世界の人口増加のテンポは加速していて、2050年に120億人に達する可能性がある、という。
この数字は、従来予測よりも27億人も多く、今世紀の折り返し点での人口は現在のざっと2倍近くにもなる、ということだ。
僕がこの数字に戦慄するのは、地球が支えることが出来る世界人口は約80億人、というのがさまざまな学者・研究者たちの一致した結論となっているからだ。
2050年の世界人口が93億人という従来の推定では、世界人口が80億人という「定員」に達するのは2028年ころと見られていた。
だが、今回のオベイド事務局長の推定通りに2050年の世界人口が120億人ということになると、80億人の定員突破は2028年よりもはるかに早い時期になるであろう、と思われる。
この増加ペースをあてはめると、80億人の定員突破は、目の前に迫ってきている現実の問題である。
オベイド推定では、今後44年間の増加は55億人となり、このペースで計算すると世界の人口はあと12年で80億人となる。
つまり、今年生まれた子どもが小学校を卒業するころには、地球上の人口が「定員」に達してしまい、それ以上は支えきれなくなるということなのだ。
あと12年というと、2018年である。
世界人口が「定員」を超えたら、どういうことが起こるのだろうか。
現在でも、世界人口の半分近くにあたる30億人が1日2ドル以下の所得で暮らす貧困層で、うち12億人は1日1ドル以下で暮らす極貧層である。
また現在、17億人が水不足の状態に置かれていて、24億人が下水道のない生活をしている。
定員突破で考えられるのは、現在のこうした状況がさらに進んで耐えられる限界を越え、人類という共同体がすさまじい形で崩壊していくことである。
食糧や物資、エネルギー、医薬品など、あらゆるものが足りなくなって、しかもアメリカなど一部の勝ち組先進国には有り余る状態だとしたら、何が起こるだろうか。
危険ラインを超えた国々からは、富める国への不法移民がなだれをうち、さらにどこへも行き場のない難民、流民もすさまじい数にのぼるだろう。
暴動や紛争、地域戦争、組織的テロなどが激しさを増し、不安定な国々では反米の独裁政権や軍事政権が誕生していくことも考えられる。
アメリカでは自国の国民と利益を守るためと称して、こうした極貧の反米国家に対して、核の先制攻撃を行なう可能性も高くなる。
こうした国際関係の崩壊とは別の問題として、人類と家畜ばかりが異常に繁殖してしまった地球の生命圏がパンクして、壮絶なカタストロフィーとなる恐れもある。
生命圏の崩壊は地球の崩壊となって、もはやどのような富と軍事力によっても手のつけれらないものになるであろう。
2050年に120億人という数字からは、こうした黙示録が読み取れる。
もしかして、2050年には、この推定を検証する人間さえ、地球の上に存在しないのかも知れない。
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