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2006/05/03

在日米軍再編が動き出す今こそ、平和憲法の重み

在日米軍再編。沖縄の負担軽減と引き換えに、自衛隊は米軍の中に深く組み入れられて、日本はいつでも米軍とともに戦争に対応する態勢に。

これに伴う日本側の負担3兆円について、政府から国民への説明は一切ない。

憲法を変えようという動きがますます顕著になっている今日、護憲を訴える声はか細くなって、消え入りそうな感さえある。

在日米軍再編は、憲法改正の既成事実化であり、憲法9条のさらなる骨抜きであることに異存はない。

だからといって、一部の識者のように護憲から転向して、自衛隊の存在と役割を憲法に明記すべきだという意見は、憲法の役割を見誤っているとしかいいようがない。

今の日本国憲法は、主権を持つ国民の側が国家に対して枠をはめ、国家の行動を厳しく規制するものである。

これに対して、憲法を変えようとする勢力が目指すのは、国家の側が国民の思考や行動に枠をはめ、国家が国民を管理し規制するための憲法である。

自衛隊の役割は、まるっきり変わってくる。

いまの憲法では自衛隊は軍隊とはいえないが、事実上の軍隊である。

この矛盾こそが、自衛隊の行動に縛りをかけて、常に自衛隊の動きが国民の目にさらされるという緊張をもたらしている。

現実と理想がいくら乖離していても、憲法で理想を掲げているからには現実は暴走することが出来ず、常に二面性を背負ったままである種の後ろめたさから逃れることが出来ない。

僕は、これこそが自衛隊が他国民に銃を向けることをためらわせている決定的な理由であり、この一線は今後とも越えてはならないと思う。

憲法が変えられて、自衛隊が憲法上の存在になったら、自衛隊が背負ってきた矛盾の重しが取れ、戦争をすることを厭わない普通の国の普通の軍隊と同じになる。

そのことは、米軍と一体化して他国に出兵し、米軍を攻撃した他国民に自衛隊が銃を撃つことを、当然の責務としてしまう。

東西冷戦が終わって、世界の安全保障は9.11テロやイラク戦争のような新たな段階へ、さらに緊張する朝鮮半島や中東など局地的な厳しい状況への適切な対応を迫られている。

こうした時だからこそ、自衛隊は日本国憲法から半分はみ出し、半分足を取られたままの、「不自由な」存在であることが重要な意味を持ってくる。

日本の平和憲法こそ、冷戦後の複雑で神経質な世界において、各国に対して何よりも説得力を持つ最大の戦争抑止力といっていい。

威勢のいい国威高揚派の叫びに引きずられて、日本国民がこの憲法を変えてしまった時、日本と世界はかけがえのない戦争抑止の重しを失ってしまう。

それは、さまざまな国が自国の国益を振りかざし、猜疑心と恐怖の悪循環からこぞって先制攻撃に突き進む破局の地獄絵である。

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