ビール1日17本で、前立腺がん予防効果?
米オレゴン州立大学の研究チームは、ビールを1日に17本以上飲めば、前立腺がんを予防する効果があることを発見したという。
僕は、1日17本という数字に、いまはとっくに他界しているある人物を思い出す。
彼は、アルコール依存症というよりも、ビール中毒患者といった方がいいくらい、ビールに溺れていた。
どれくらいひどいビール中毒かというと、まず彼は朝、出勤の途中でいつも、開店している軽食喫茶のようなところに寄って、ビールを3本くらい飲む。
彼は当時、さる記者クラブ詰めだったので、会社には行かずに、そのままクラブに直行していいことになっていた。
クラブに着くなり、彼はまだ昼前だというのに、記者クラブの世話をしている女性に、ビールを買ってくるように頼む。
官庁内の売店から買ってきたもらったビールを2、3本飲んだ彼は、もう昼ころには完全に出来上がっていて、さらにビールを3本、4本と買ってきてもらって飲む。
「もう、ビールはおよしなさいね」と女性がたしなめると、彼は怒り出す。
そうして、午後の記者会見のころには、ほとんど泥酔の状態になっていて、メモを取ることも、まして原稿を書くこともおぼつかない。
何の会見だったのかすら覚えていない彼に、他社の記者が見かねて、原稿書きを手伝ったこともあったようだ。
ともかく、この記者クラブは発表も少なく、ただいることに大きな意味があったので、彼のビール中毒は会社の上司たちの耳にも入っていたが、放置されていた。
彼が1日に飲んだビールの量は、それこそ17本に達していたのではないか。
前立腺がんの予防効果があったかどうかは知らないが、彼はまれに見るビール腹となり続け、苗字の後にデブを付けて、「××のデブ」と呼ばれていた。
彼は、その記者クラブに在籍のまま、ある日、ポックリと死んでしまった。
ビールを1日に17本も飲み続けると、「××のデブ」のようになるに違いない、と僕は確信している。
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