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2008/03/27

「ウルビーノのヴィーナス」の挑発する視線

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上野の国立西洋美術館で、ティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」を見てきた。

ふだんはフィレンツェのウフィツィ美術館に展示されていて、本邦初公開というふれこみだ。

ティツィアーノの描く女性は、「フローラ」にしても「悔悛するマグダラのマリア」にしても、清純な女性が多い。

この「ウルビーノのヴィーナス」も、楚々とした清らかなな表情に強い印象を受け、シミ一つないすべすべした裸身の美しさにほれぼれする。

そして、いやがおうでも、引き付けられるのは、股間におかれた左手だ。

この左手は、はじらいなのか、それとも、たしなみなのか、と見る者はたじろいでしまう。

隠さないよりも、はるかに刺激的で挑発的で、意味深だ。

解説によると、右に寝ている犬は忠誠を意味し、この絵を見る側にいる者が、彼女の愛人か夫であることを示唆しているという。

また、右手でつかむバラは「愛の悦び」を意味しているという。

描かれている女性が、見る者を性的に挑発し続け、そのことによって彼女自身も性的な感情を高ぶらせていることは、まぎれもないだろう。

この絵を、芸術的視点だけで眺めることが出来る男が、はたしているのだろうか。

これはルネサッスが切り開いた堂々たるエロスであり、見る者は想像や妄想をたくましくして、どんなエロティックな気分で見ても構わない、官能の極みなのだと思う。

描かれた女性の視線が、絵を見る者の視線と合っているために、見る側の心の内はごまかしがきかない。

この光景は、情事の前なのか後なのか。この清純そうに見える女性が、愛の交歓の時にはどんな表情と肢体を見せるのか。

ウルビーノのヴィーナスと目を合わせていると、妄想は果てしなく広がっていき、時の経つのを忘れてしまう。

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