フィレンツェからのモブログ04
ウフィッツィ美術館は、日本で予約しておいてよかった。当日券を求める長蛇の行列を横目に、予約時間の10時きっかりにすんなりと入ることが出来た。
メディチ家が財力にまかせて集めに集めた、膨大な美術コレクションがベースになっているだけあって、その充実ぶりと質の高さは、ルーブルやエルミタージュに勝るとも劣らない。
ルネッサンス期の名作・大作を中心に重点的に見て回り、館内のカフェテラスでの昼食をはさんで、またたく間に5時間余りが経過した。
とりわけ、フィリッポ・リッピの「聖母子と二人の天使」、ティツァアーノの「フローラ」は、生き生きと描かれた女性の清純な優しさが溢れていて、絵の前から去り難い。
ボッティチェルリの「ヴィーナスの誕生」はガイドブックなどで見るより地味な感じがしたが、「プリマヴェーラ(春)」の方は色彩も鮮やかで、こちらの方がルネッサンスの空気を強く感じた。
同じボッティチェルリの「柘榴の聖母」は、マリアの虚ろで定まらない虚無的な眼差しに驚かされる。ルネッサンスの後に訪れる激動と動乱の世界を予知しているかのようだ。
写真は、ウフィッツィ美術館の3階の廊下の曲がり角から望むアルノ川とヴェッキオ橋。
アルノ川は街の真ん中を流れる大きな川なのに、遊覧船も観光ボートも一切ないところが、凄い。街全体を包む雰囲気をぶち壊しにすることなく、フィレンツェという都市の見識と心意気を感じる。
BANYUU
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