あなたとは違うんです、名言残し首相去る
これほど国民に深い感動を与えた言葉を吐露した宰相が、かつて日本にいただろうか。
あなたとは違うんです。
うーん、なんと素晴らしい名言だろうか。昨夜の記者会見の最後の最後に、福田首相はようやく自分の言葉で、国民の前に歴史に残る一言を語ってくれた。
この一言によって、なんと福田首相の人気は一夜にして急上昇。ネットでは2ちゃんねるからブログのすみずみまで、あなたとは違うんです、をめぐって興奮が渦巻き続け、早くも今年の流行語大賞間違いなし、の声も出ている。
福田さん、こんな迫力に満ちた魅力的な言葉を述べることができるのなら、もっと早くに言っておけばよかったのに。そしたら、辞めなくても済んだかも知れないのに、惜しいナァ。
そうさなあ。寅さんも言っていたっけ。「いいか、早い話が、オレがイモを食ったら、お前から屁が出るか。オレとお前は違うんだってことよ」
あなたとは違うんです。これを、公明党に堂々と言ってほしかったなあ。
あなたとは違うんです。福田さんは、これをブッシュにはっきり言ってほしかった。
あなたとは違うんです。福田さんは、世界に向かってこのことを叫びたかったに違いない、とも思ってみる。
昨夜の辞任会見には、見るべき内容はほとんどなかったにもかかわらず、この最後の一言のおかげで、鮮烈な記者会見となった。
福田さんは、この一言をいつか必ず言うためにこそ、昨年秋の安部首相辞任を受けて、あえて貧乏くじを引いたのではないか。
あなたとは違うんです。この言葉は、近代的な自我が抱える本質的な孤独と悲しさを、見事に言い当てている。
どんな最高権力者でも、結局のところは自分一人でしかない、ということ。
そして世の中も世界そのものも、みながそれぞれに、あなたとは違う人で成り立っているということ。
でも、それで構わない。あなたとは違うんです、を前提に、すべての物事を進めなければ、世界は立ち行かなくなってしまう。
金子みすゞが言っているように、「みんなちがって、みんないい」
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