竣工したコクーンタワーの不思議いろいろ
JR新宿駅西口の真ん前に、近未来建築を感じさせる特異な姿で完成したモード学園コクーンタワーは、超高層ビル群の中でもひときわ目をひきつける。
近くから見ても、この写真のように小田急百貨店本館12階の展望スペースから見ても、全体の姿形はどうなっているのか、なかなか全容がつかめない。
繭(コクーン)模様の湾曲した外壁面は、何個の面があるのだろうか。2面か4面か。また下から見ると、てっぺんは山の稜線のような鋭角のように見えるが、真上から見るとどうなっているのか。
こうしたナゾに答えるかのように、サイエンス雑誌「Newton」の12月号が、コクーンタワーの特集を掲載している。
「Newton」のイラスト入りの記事を読んで初めて知ったのだが、このコクーンタワーを真上から見た場合の基本的な形は正三角形なのだ。
コクーン模様の外壁は、堅い鉄骨を斜めに組み合わせて地震の横揺れを吸収するようになっており、これが下から上へと膨らみながら3方向から全体を包み込み、50階建ての45階のところで正三角形となって結合している。
横からは山の稜線のような感じに見えるてっぺんのところは、なんと真上から見るとやはり正三角形で、しかも2等辺三角形が3面合わさった三角錐になっているのだ。下からや横からはどう見ても、てっぺんは三角錐には見えないのがマジックだ。
「Newton」によると、コクーンタワーにはいわゆる屋上がないため、火災などの緊急時にヘリコプターが着陸するスペースがない。そこで、緊急時のための救助用スペースが、てっぺんの内部に収納されていて、非常時にはスプーンの先端のように外側に開いてせり出す。
ヘリは着陸することは出来ないが、救助用スペースの上に脱出した人たちを、ホバリング(空中静止)して救助にあたる。開ききるまでの時間は7分という。
ついでに、これも「Newton」を読んで初めて知ったのだが、コクーン模様が異彩を放つ外壁には、斜めに組み合わされた鉄骨のほかに、描かれた模様もあって、それがミックスされて複雑な模様となっている。
完成したコクーンタワーには、すでにモード学園などの学生たちが学び始めており、今月6日にはブックファーストがオープンする。
本当に三角形なのかどうか、商業施設がオープンしたらじっくりと観察してみたい気にかられる。
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