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2008/12/31

2008年が暮れて、宵の空には月と金星

0812312008年の大晦日が暮れていく。

日没の後、太陽が沈んだのに、すべてのものがまだ残光に照らされている僅かな時間帯を、マジックアワーと呼び、最も美しい時間帯なのだそうだ。

僕はこの呼び方を、三谷幸喜監督の『ザ・マジックアワー』の冒頭で初めて知った。

今日の大晦日。今年最後の日没の直後に、外を見たら、空も地上も、これぞまさしくマジックアワーではないか。

しかも、一つの視界の中に、右下には富士山のシルエットがくっきりと映り、左の上には三日月とランデブーする金星の輝きが(写真)。

大晦日のマジックアワーが作り出したこの不思議な光景は、新しい年への予兆のように見える。

それは、明るい2009年への予知なのか、暗い2009年への予知なのか。神のみぞ知ることであろう。

0812312写真の下は、上の写真の月と金星の部分だけをクローズアップしたものである。

金星は現在、宵の明星として、太陽からの見かけの位置をどんどん東に離れていて、1月15日に離隔47度07分の東方最大離隔となり、その時点での光度はマイナス4.4等。

その後、太陽からの角度は縮まっていくが、光度はさらに明るくなっていって、2月20日には最大光度のマイナス4.6等になる。

2009年まであと数時間。新しい年が、日本の経済と社会にとって、かつてなく厳しい年となることは疑う余地はないであろう。

雇用の崩壊、年金・医療の崩壊、消費の崩壊、政治の崩壊、文化の崩壊、未来の崩壊。

そんな中で、日本にはマジックアワーが訪れることがあるのだろうか。

せめて、一人一人の心の中だけでも、マジックアワーのような輝ける時を持ちたいものだ。

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2008/12/21

『ザ・マジックアワー』と『幻影師アイゼンハイム』

F2今日は冬至。ゆず湯に入って、カボチャとチーズと煮豆と赤飯という、不可思議な夕ご飯を食べた。

さて、昨日と今日、2本の映画をDVDで観た。『ザ・マジックアワー』と『幻影師アイゼンハイム』。

この2本については、もう無数のブログでさんざん書きつくされているので、ここでは多くを書かずに、若干の感想をとどめておきたい。

まず、『ザ・マジックアワー』だが、『ラヂオの時間』や『THE 有頂天ホテル』とともに、三谷幸喜ワールドの真骨頂というところ。

筋書きが次から次へと狂っていく中で、ともかく期限がどんどん迫ってきていて、行き当たりばったりで、みんなが大騒ぎを繰り広げていく、というおなじみのプロットであるが、これがめっちゃ面白い。

佐藤浩市が難しい役を好演している。騙されていることを知らずに、映画の撮影だとばかり信じて、本物のギャングのボス西田敏行を脅しに乗り込んでいくが、これまた事情を全く知らない西田敏行にすっかり気に入られてしまって‥‥。

僕は、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』で佐藤浩市の存在感を知ったのだが、その後、『美味しんぼ』での父三國連太郎と親子役も面白かった。

3年前にNHKで放映された『クライマーズ・ハイ』では、大俳優としての著しい成長に目を見張った。

いずれ、父三國を乗り越えて、日本映画界の大黒柱となっていく俳優だろう。


C2『幻影師アイゼンハイム』は、ハプスブルク帝国末期の19世紀末のウィーンが舞台で、再現された当時のウィーンの街並みからして、胸がときめく。

この映画では、大掛かりなトリックを使う幻影師(イリュージョニスト)アイゼンハイムの、うっとりするようなイリュージョンの数々が登場するが、彼は超能力者でも魔法使いでもないことを押さえておく必要があるだろう。

後半のドラマチックな展開そして驚きの結末は、幻想や空想や妄想ではなく、まさにアイゼンハイムによる一世一代の大イリュージョンであることによって、観客の心を揺さぶらずにはおかない。

ウィーンという街ならば、このような奇跡とも言える物語は実際にあったかも知れない、という思いすら抱かせる。

やはりウィーンが舞台だった『第三の男』でも、死んだはずのハリーが幻影のように現れ、また一瞬の間に消えてしまうシーンが印象深いが、ウィーンはある意味、幻想都市といっていい。

『幻影師アイゼンハイム』で描かれた世紀末ウィーンは、モノクロではないのに、限りなくモロクロ的な雰囲気で、当時の退廃的で爛熟した世相が伝わってくるようで、どこか懐かしい。

音楽がまた、このセピアチックな映像にマッチしていて素晴らしい。

ひさびさに名画といえる最新作に出合った思いだ。

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2008/12/11

朝日、読売などの号外で振り返る2008年 その1

今年も残すところ20日。このブログ恒例となった「朝日新聞号外などに見る2008年」で、今年1年を振り返ってみたい。

この年末恒例記事で紹介した号外は、一昨年2006年が8件、昨年2007年は4件だった。

今年2008年は、全国的なニュースだけで18件もの号外が出た。

北京五輪があったことも大きいが、それ以外にも事件やニュースの多い年であった。

今年は数が多いので、3回に分けて掲載したい。

大きな出来事なのに、朝日新聞が号外を出さなかったものや、出したのだが僕が入手出来なかったものもあり、それらについては読売や日経の号外を掲載する。

日付は、号外の発行された日付である。


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6月8日 閉塞感の漂う日本列島に、強烈な衝撃を走らせた秋葉原での無差別通り魔事件。ネットに同時進行で書き込みをしながら、トラックでアキバに乗り付けてホコテンの通行人らを轢き、さらにナイフで次々に切り付けて、7人の命を奪った。「人を殺すために秋葉原に来た。誰でもよかった」の供述に日本中が戦慄。


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6月14日 岩手県内陸部を震源とする最大震度6強の地震が発生。岩手、宮城両県を中心に死者13名、行方不明10人など大きな被害が出た。栗駒地区の駒ノ湯温泉では、建物が土砂に流され従業員と宿泊者が生き埋めになった。震源に近い地域では、緊急地震速報が間に合わなかったところも。


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8月10日 8日に開幕した北京オリンピックの日本勢金メダル第1号は、柔道男子66キロ級の内柴正人。アテネに続く2連覇で、これが日本勢にはずみをつけ、10日から17日まで8日連続の号外ラッシュとなった。


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8月11日 競泳100メートル平泳ぎで北島康介が、58秒91の世界新による2連覇。直後のインタビューで、今の気持ちを聞かれ、しばらく黙った後に感極まって「なんも言えねえ」。何百語を語るよりもインパクトのあるこのコメントは、後に小泉元首相らがパロって使うなど、しばし流行語に。


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8月12日 柔道女子63キロ級で、谷本歩実が2連覇。アテネに続いて2大会連続のオール1本勝ちは、不滅の金字塔である。この同じ号外の4面に、女子マラソン優勝候補、野口みずきの欠場決定のニュースが載っているのが、明暗を分けている。

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朝日、読売などの号外で振り返る2008年 その2

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8月13日 柔道女子70キロ級で、上野雅恵が連覇の金。アテネ後は故障などで苦む日々だったが、やはり柔道選手である二人の妹たちに励まされて見事に再起した。


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8月14日 競泳100メートルですでに金を取っている北島康介が、こんどは200メートル平泳ぎで2分7秒64の五輪新記録で、アテネに続いて2大会連続の2冠を達成した。これは日本の競泳史上初の偉業。


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8月15日 柔道男子100キロ超級で、初めて世界の舞台に臨んだ21歳の石井慧が金。1本にこだわらない海外のJUDOを取り入れて判定や指導でも勝ちは勝ちと公言。「自分はヒールと呼ばれてもいい」 などの発言が話題に。11月3日、プロの格闘技への転向を表明した。


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8月16日 レスリング女子55キロ級で、吉田沙保里がアテネに続いて金。続いていた119連勝は1月のワールドカップでストップしたが、これが逆に五輪2連覇への執念を強くした。「4年後のロンドンも」と早くも闘志を燃やしていて、五輪3連覇の期待が高まる。


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8月17日 レスリング女子63キロ級で伊調馨が連覇。姉の伊調千春が前日、銀メダルに終わって泣きじゃくった馨だが、決勝の終了間際に逆転の金。「千春と一緒に取った金メダル」という。五輪後、いったんは姉妹そろって引退を表明したが、その後撤回し、現役を続ける見通し。


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8月21日 数々の感動とドラマが繰り広げられた北京五輪の中で、最も印象に残ったのが女子ソフトの決勝そして悲願の金メダルではなかっただろうか。シドニーで銀、アテネで銅に終った前監督の宇津木妙子さんが、テレビの解説をしていて決勝の瞬間に流した涙には、多くの日本人がもらい泣き。上野由岐子選手の2日間の3連投は、「上野の431球」として2008年の流行語大賞審査員特別賞となった。

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朝日、読売などの号外で振り返る2008年 その3

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9月1日 北京五輪の余韻がさめやらぬ中、福田首相はこの夜、突然の辞任を表明して列島に激震が走った。安倍元首相に次ぐ2代続けての政権投げ出しに、国民は唖然、呆然。福田首相が辞任会見の最後に、質問した記者に答えた「あなたとは違うんです」は、2008年流行語大賞トップ10入り。福田前首相は「誠に光栄ですが、受賞は辞退いたします。花深く咲く処、行跡なし」とコメントしたのみ。

9月22日 福田辞任を受けて行なわれた自民党総裁選で、麻生太郎幹事長が総裁に選出。「総選挙の顔」として党内の期待を担って誕生した麻生政権だが、何をどう勘違いしたのか、解散・総選挙からひたすら逃げ回るのみで、内閣支持率はたちまち急降下。12月に入ってからの内閣支持率は、読売、毎日で21%、朝日で22%と1月前の半分以下に落ちて、早くも政権末期症状の様相に。


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10月7日 日本の政治がモタついている間に、アメリカのサブプライム問題に端を発した世界的な金融危機は深刻さを増し、ついには大恐慌以来といわれる世界同時不況に突入。日経平均株価は1万円を割り込み、その後も暴落が続いて、一時はバブル崩壊後の最安値を更新した。金融危機は実体経済にも壊滅的な影響を及ぼしてきており、日本でも容赦ない派遣切りや正社員のリストラなど、雇用の崩壊が始まった。


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10月7日 今年のノーベル物理学賞に、米シカゴ大名誉教授の南部陽一郎氏(アメリカ国籍)、高エネルギー加速器研究機構名誉教授の小林誠氏、京都大名誉教授・京都産業大教授の益川敏英氏が決定。日本人のノーベル賞受賞は2002年以来。「自発的対称性の破れの発見」など、なんのことやら分からない言葉が紙面を飾るが、益川さんが「アイ・キャンノット・スピーク・イングリッシュ」と堂々と述べたことに、ホッと胸をなでおろしている人たちも多いのでは。


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10月8日 前日の物理学賞に続いて、こんどはノーベル化学賞に米ウッズホール海洋生物学研究所・元上席研究員の下村脩氏が決定。オワンクラゲの青く光る仕組みを解明して緑色蛍光蛋白質GFPを発見し、人間の細胞内に組み込んで動きを観察できるなど、世界中で医学などの分野で応用されている。下村氏が研究のために捕獲したオワンクラゲは80万匹にものぼり、このクラゲの美しい発光の様子は水族館などでも見ることが出来て、一躍、人気のクラゲとして脚光を浴びている。


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10月11日 ミウラカズヨシと聞いて、サッカーのカズこと三浦知良しか知らなかった人は、平成生まれ? ロス疑惑をめぐってサイパンで拘束されていた元会社社長の三浦和義容疑者が、ロサンゼルスに移送された直後に、ロス市警の拘置施設内で自殺した。27年前の「疑惑の銃弾」をめぐってセンセーショナルな関心を呼んだ事件は、真相が解明されないまま、すっきりしない幕切れとなった。


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11月5日 4年に一度となる米大統領選は4日、全米各州で投票が行なわれ、民主党のオバマ氏が共和党のマケイン氏を大差で破って当選。就任式は2009年1月20日で、史上初のアフリカ系(黒人)大統領が誕生する。オバマ氏当選の最大の功労者は、ブッシュ大統領にほかならないという声も多く、オバマ新大統領は、イラク戦争やアフガン戦争、未曾有の経済危機など、ブッシュ政権が残した重い負の遺産を背負ってスタートする。


今年の号外は、これにて打ち止めとなるだろうか。あと20日の間に、まさかの号外が出ることはないでしょうね。麻生さん、あなたに聞いているんですよ。

みなさんにとって2008年はどんな年だったでしょうか。

ちょっと気が早いけれども、新しい年2009年が、みなさまにとって良いお年でありますように。


【過去の関連記事】

朝日新聞号外で振り返る2007年
朝日新聞号外で振り返る2006年

とっておき号外に見るあの時(1)-昭和の終焉
とっておき号外に見るあの時(2)-元号は平成
とっておき号外に見るあの時(3)-湾岸戦争
とっておき号外に見るあの時(4)-毛沢東の死
とっておき号外に見るあの時(5)-ロッキード事件
とっておき号外に見るあの時(6)-空の大惨事
とっておき号外に見るあの時(7)-樺美智子さんの死

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