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2008/12/21

『ザ・マジックアワー』と『幻影師アイゼンハイム』

F2今日は冬至。ゆず湯に入って、カボチャとチーズと煮豆と赤飯という、不可思議な夕ご飯を食べた。

さて、昨日と今日、2本の映画をDVDで観た。『ザ・マジックアワー』と『幻影師アイゼンハイム』。

この2本については、もう無数のブログでさんざん書きつくされているので、ここでは多くを書かずに、若干の感想をとどめておきたい。

まず、『ザ・マジックアワー』だが、『ラヂオの時間』や『THE 有頂天ホテル』とともに、三谷幸喜ワールドの真骨頂というところ。

筋書きが次から次へと狂っていく中で、ともかく期限がどんどん迫ってきていて、行き当たりばったりで、みんなが大騒ぎを繰り広げていく、というおなじみのプロットであるが、これがめっちゃ面白い。

佐藤浩市が難しい役を好演している。騙されていることを知らずに、映画の撮影だとばかり信じて、本物のギャングのボス西田敏行を脅しに乗り込んでいくが、これまた事情を全く知らない西田敏行にすっかり気に入られてしまって‥‥。

僕は、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』で佐藤浩市の存在感を知ったのだが、その後、『美味しんぼ』での父三國連太郎と親子役も面白かった。

3年前にNHKで放映された『クライマーズ・ハイ』では、大俳優としての著しい成長に目を見張った。

いずれ、父三國を乗り越えて、日本映画界の大黒柱となっていく俳優だろう。


C2『幻影師アイゼンハイム』は、ハプスブルク帝国末期の19世紀末のウィーンが舞台で、再現された当時のウィーンの街並みからして、胸がときめく。

この映画では、大掛かりなトリックを使う幻影師(イリュージョニスト)アイゼンハイムの、うっとりするようなイリュージョンの数々が登場するが、彼は超能力者でも魔法使いでもないことを押さえておく必要があるだろう。

後半のドラマチックな展開そして驚きの結末は、幻想や空想や妄想ではなく、まさにアイゼンハイムによる一世一代の大イリュージョンであることによって、観客の心を揺さぶらずにはおかない。

ウィーンという街ならば、このような奇跡とも言える物語は実際にあったかも知れない、という思いすら抱かせる。

やはりウィーンが舞台だった『第三の男』でも、死んだはずのハリーが幻影のように現れ、また一瞬の間に消えてしまうシーンが印象深いが、ウィーンはある意味、幻想都市といっていい。

『幻影師アイゼンハイム』で描かれた世紀末ウィーンは、モノクロではないのに、限りなくモロクロ的な雰囲気で、当時の退廃的で爛熟した世相が伝わってくるようで、どこか懐かしい。

音楽がまた、このセピアチックな映像にマッチしていて素晴らしい。

ひさびさに名画といえる最新作に出合った思いだ。

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