2008年が暮れて、宵の空には月と金星
2008年の大晦日が暮れていく。
日没の後、太陽が沈んだのに、すべてのものがまだ残光に照らされている僅かな時間帯を、マジックアワーと呼び、最も美しい時間帯なのだそうだ。
僕はこの呼び方を、三谷幸喜監督の『ザ・マジックアワー』の冒頭で初めて知った。
今日の大晦日。今年最後の日没の直後に、外を見たら、空も地上も、これぞまさしくマジックアワーではないか。
しかも、一つの視界の中に、右下には富士山のシルエットがくっきりと映り、左の上には三日月とランデブーする金星の輝きが(写真)。
大晦日のマジックアワーが作り出したこの不思議な光景は、新しい年への予兆のように見える。
それは、明るい2009年への予知なのか、暗い2009年への予知なのか。神のみぞ知ることであろう。
写真の下は、上の写真の月と金星の部分だけをクローズアップしたものである。
金星は現在、宵の明星として、太陽からの見かけの位置をどんどん東に離れていて、1月15日に離隔47度07分の東方最大離隔となり、その時点での光度はマイナス4.4等。
その後、太陽からの角度は縮まっていくが、光度はさらに明るくなっていって、2月20日には最大光度のマイナス4.6等になる。
2009年まであと数時間。新しい年が、日本の経済と社会にとって、かつてなく厳しい年となることは疑う余地はないであろう。
雇用の崩壊、年金・医療の崩壊、消費の崩壊、政治の崩壊、文化の崩壊、未来の崩壊。
そんな中で、日本にはマジックアワーが訪れることがあるのだろうか。
せめて、一人一人の心の中だけでも、マジックアワーのような輝ける時を持ちたいものだ。
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