何十年も分からなかったピアノの曲名が判明
僕が中学生の時、1年下のケイコさんという女生徒が、放課後に音楽室のピアノでよく弾いていた曲のメロディーが忘れられない。
あれは、何というタイトルの曲だったのだろうか。
その後、ラジオで何度かこの曲を耳にしたのだが、いつも曲名を聞き漏らしてしまい、僕はその後、何十年にも渡って、この曲名を捜し続けることになった。
小説や詩などは、おおよそのことが分かれば、誰の何と言う作品なのかは、ネットなどで調べることが出来る。
メロディーしか分からない場合には、検索してみようがない。
僕が何かの楽器を弾けたり、あるいは楽譜を書くことが出来れば、ネットに書き込むなどして、知っている人から教えてもらうことも可能かも知れない。
しかし、そうした才覚もないまま、僕にとってこの曲の名は、永遠に分からないのではないか、という気さえしてきた。
それが、ふっとしたはずみに、動画サイトをみていてたまたまクリックしたら、なんとまさに、あの曲だったのだ。
曲の名は、ドビュッシー作曲の「ゴリウォーグのケークウォーク」(Golliwogg's Cakewalk)。組曲「子どもの領分」の第6曲とある。
なあんだ、有名な曲じゃないか、という人も多いだろう。
しかし、古今東西、星の数ほどもあるピアノ曲の中から、さして音楽に精通しているわけでもない僕が、メロディーだけを頼りに曲名を探し出すことは、針の穴に駱駝を通すくらい難しいことなのである。
曲名が分かってみると、YouTubeにはたくさんの演奏がアップされていることも分かった。
その中の一つを、曲名判明を祝ってここに張り付けておきたい。
(僕は、ドビュッシーのピアノ曲というのは概して、水面に反射する光の揺れを運ぶ微風のように、淡くて、ほわーっとしていて、つかみどころのないものだと思っていただけに、このように陰影のはっきりした個性的な曲想がドビュッシーのものだったとは、驚きであった)
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