期日前投票に行きて出口調査責め
衆院選の投票日まで一週間となりぬ。
投票日に行列をなす煩雑を避けむとて、余は近年、どの選挙にても期日前投票をなすを常とす。余の住む処は、うれしはづかし花の東京一区なり。
今日は日曜日なるが、期日前投票をせんとて、分庁舎に往きたり。
どの記載台にも、備え付けの鉛筆が数本ずつ置きてありしが、新型いんふるえんざ流行の折から、大勢が触りし鉛筆を手にするは、何となくためらはるるなり。
受け付けに居並ぶ係員らに「余が持ちたるぼーるぺんにて記載したし。これ構わぬや」と問ひたれば、年経る男の立会人たち、「備え付けの鉛筆使わざるべからず」と云へり。
「いかでぼーるぺん使うこと能はざるや。公選法にさようなる規定ありや」と尋ぬれば、立会人、「備え付けの鉛筆使うべし」と繰り返すのみなりけり。いかにも石頭といふ風体なり。
さるほどに、をんなの若き係員、電話にて選管に問ひ合わせしかば、「持ちたるぼーるぺんにて、いささかも難なく候由」と云へり。これにて落着となりけり。
選挙区、比例区、最高裁裁判官国民審査の順に、三つの投票箱を回りぬ(写真)。
投票を終へて外に出たるや間髪を入れず、報道機関の出口調査をせむとて待ち構えたるが、余に投票内容を尋ぬるありて大いに驚けり。
それも一社のみならず、TBS、NHK、共同通信の三社から次々に調査票を渡され、選挙区は誰に投票せしや、比例区はどの政党なりしや、普段支持する政党はいずこなりや、などの記載を求められたり。
すでに期日前投票からして、かように競うて出口調査を行なふを見れば、政権交代に向けて高まる巷間の熱気ひしひしと伝はり来れるなり。余はいずれの社に対しても快く回答せしことは云ふまでもなし。
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