轟音震わす鉄砲組百人隊、隊員にをみなも
けふは、大久保なる皆中稲荷神社の例大祭にて、二年に一度の鉄砲組百人隊行列繰り広げられけり。
余が鉄砲組百人隊行列を見しは、直近では六年前のことなりき。四年前は、いかでか観る機会を逸し、二年前はやうやう最後の場面にのみ間に合いたるが、試射はほとんど見る能はざりけり。
けふは久々に鉄砲隊の試射を間近に見むとて、最初の試射地点にてつとに行列の到着を待ちうけたり。
大久保の街も近年は変貌著しかりけるが、鉄砲組百人隊の行進を見つれば、悠久の歳月の江戸時代から変わることなく流るるを知りぬべし。
鉄砲隊の試射は、三回に渡りてメンバーを変へ、姿勢を異にして行なへり。
空砲とは云へ、火縄銃にて本物の火薬に点火し、一斉に轟音をとどろかせて揃い撃ちして一帯が白煙に包まるるさまこそ、豪快にして壮観なれ。
天を震わせ地を揺るがすごとき大音響、秋の都心に轟き渡りて残響を残し、つくづくと平和なる世のありがたきを感じ入れり。
余は、鉄砲隊はおのこばかりなるものと思いきや、よく見なば、をんなの隊員混ざり居り。これまでも、をんなの加わりしことありけむやいなや、仔細不明なり。
見物人からも、「あな、鉄砲隊におみなが居るぞよ」との声聞かれぬ。
これも男女平等の世のしるしならむや。
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