無線鼠のポインター凍結、そを爪楊枝にて脱出せり
無線鼠とは、ワイヤレスマウスのことなり。
余のパソコンの無線鼠、一週間ほど前より動作いと悪しくなりにけるが、けふはディスプレイのマウスポインター、フリーズしたまま、え動かざりき。
ここ数日、かやうなる現象頻繁に生じたれども、無線鼠の裏蓋開けて、ボールを入れ直せば、たいがい回復しけるものを、けふはいかように操るもかひなく、回復すること能はず。
パソコンの電源をあまたたび入れ直して見つるも、ポインター、画面のひとつところにとどまりて微動だにせざりき。
ポインター動かざりしかば、ネットにつなぐことも不可なりけり。
余はつひにお手上げとなりて、メーカーのサポートセンターに電話してヘルプを求めたり。
症状を説明するに、センターの担当者、「先の尖りたる物、汝のもとに在らば用意し給へ」と云ふ。
余が、「ポールペンにても可なりや」と問ふに、「否なり。通電せざるものの、例へば爪楊枝など良からむ」と答ふ。
台所にて爪楊枝を探し出して、担当者の電話に指示さるるまま、パソコンに向かひたり。
まずは、ディスプレイ裏側の、Channelと書かれたるちさき穴に爪楊枝差し込み、五秒以上そのまま押せり。
ついで、無線鼠を裏返し、同じやふにChannelと書かれたる穴に爪楊枝差し込み、十秒以上押し続けたり。
担当者、「いかにや。ポインター動かずや」と問ひて、余が鼠動かせば、あな不思議なるかな、ポインター、嘘のやふにかろく動きまわれり。
これにて、無線鼠の悪しき具合直りて、正常に戻るを得たり。
デジタルの窮状を救ひしツールの、超アナログなる一本の爪楊枝たりしは、いみじうおかしきことならむや。
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