デパ地下で豪州牛肉買ひしに、海老の入りける謎
デパ地下の食品は、おおむね値段高ければ、余の買ひ求むる機会、はなはだ多からず。
さるに、某デパ地下は時にスーパーより安かること、あまたたびありて、余はおりおり覗きたり。
けふは、このデパ地下にて、豪州産牛肉の赤身中心にていと安きを買ひ求めき。
レジ係りの女性、余の牛肉を袋に入れむとするに、何やらをすばやく箱から取り出だして、ともに袋に入れにけり。
保冷剤などにやあらむと思ひしかど、この売り場にては、各々の客のレジを通過せしのち、自らボックスの保冷剤を取り入るる決まりなり。
さても不思議なることかなといぶかりつつ、やがて袋を開けて中身をしたためければ、牛肉のパックの上に、十センチほどの生の海老一尾入りたりて鎮座ましませり(写真)。
こはいかなるにや。プレゼントなれば、さなりと説明もあらばこそ。
改めて店内の貼り紙なんど見渡せど、買い物すなる客に海老を差し上げむとは、いずこにも書かれざり。
今朝方、このデパ地下のチラシの新聞折込に入りしを思ひい出て、チラシ見直せど、海老のこと、いずこにも見当らず。
余が安き豪州産牛肉をやんごとなきさまに求むるを、レジの女性いと哀れみて、入れてくれ給ひけるにや、とも覚ゆれど、よもあらざることなるぞよ。
この海老いかようにて食ふべきや。牛肉とともに煮むも、おぼつかなし。
たかが海老一尾、されど海老一尾。期せずしてゲットしたる海老なれば、悩ましきこと、ひとしきりなり。
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