深夜、電蓄の電源独りでに入りて切ること能はざる怪
奇怪なることのありつるものかな。
深夜に消灯せんと暗くしたるに、部屋の奥に赤々と光る二つのランプあり。
何ごとの点灯せるやと見れば、電気蓄音機の電源ランプぞ光れる(写真)。
こはステレオコンポなんどと云ふやうなものにあらずして、LPやEPなどのレコードを聴かんがための、レトロなる電蓄なり。
余はここ数か月、電蓄の電源入れしことなく、この日も電蓄周りのものに触れたる覚え全くなし。
いかで電源オンとなりしや。独りでに電源の入りけること、在り得るにや。
驚きはこれに留まらず。あなや、電源を切らむとすれど、電源切ることえ能はず。
そもそも電源スイッチのオフなる位置にて、電源ランプの点灯せらるるなり。
スイッチひとたびオンにして、オフに切り替へたれば、ランプ消ゆるらんとて、何度か試みたれども、微動だにすることなく、点灯せるままなり。
いかようにても電源切ることの能はざるは、げに恐ろしきことなり。
こが電蓄なるはまだ危険少なからんが、電熱器や電気ストーブなどの勝手にスイッチ入りて、切ること能はざれば、火災にもつながりぬべし。
電源ランプ入りたるを放置して就寝するわけにもゆかず、重き家具をかろうじて動かすなどしてコンセント抜き、からくもランプの消ゆるを得たり。
コンセント差し込めば、依然としてスイッチの位置オフなれど電源ランプ点灯する状態、いまなほ変はらず。
怪なり、奇なり、不可思議なり。
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