京王の駅弁大会にて伊勢海老弁当をゲットす
駅弁大会と云へば、京王デパートにて新春に開催されるが元祖なるらし。
十年ほど前までは、余もすずろに赴きて、鴨ロース肉弁当なんどを購ひつることもありき。
されど、年経るごとに人の混雑すること、あまりの度を過ぎぬれば、このところひさしく敬遠して行かざるやうになりぬ。
今年も新聞折込に、賑やかなるチラシぞ入りたる。見れば七日が初日とぞ。
食はまほしと覚ゆる駅弁、チラシにあまたあれど、混雑を思ひて当初はあきらめおり。
さるをけふの昼、たまたま二十分ほど空く時間ありて、しかも京王の近くを通れり。
はつかの時間に購ふことの得るやはと思えども、ともあれ初日の会場を覗きてみむとす。
会場は、いみじうあまたの人の殺到するところにして、通ることも身動きすることも、え能はず。
見ゆるは、なべて人の頭のみなる混雑の中、遠くに「伊勢海老」と書かれたる案内札の目に入れり。
群集をかきわけかきわけ、近づきてみれば、ロープ張りめぐらせる端にて整理券配りおり。
整理券受け取りて列を進むほどに、いでや、「伊勢海老弁当」の売り場にぞ辿り着ける。
こは伊豆急下田駅の「伊勢海老弁当」なりて、チラシには「良年祈願おめで対決!」と書かれたり。今大会の目玉なる弁当にして、価格は1400円なり。
思ひもよらず少なき待ち時間にて、ゲットすること叶ふは幸運なりけり。
夕食に、こを食らふ。小ぶりなれど伊勢海老の半身まるごと入りて、目出度き気分す。
さざえの煮汁にて炊けるてふ米飯の上には、金目鯛の西京焼き、そぼろ、ひじき、青海苔が載り、わさび茎の三杯酢漬け添へられたり。
美味なることこの上なし。なにとはなしに、春から縁起良き心地なむする。
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