海外一人旅の計画は、春の夜の夢と消えぬ
世の中、なべて一寸先は闇なるとは言ふものの。
このたびの闇の正体ぞ、遠くアイスランドにてある火山の噴煙と大量の灰なる。
一昨日まで、2年ぶり海外一人旅の計画に、心躍らせ、期待膨らませ、語学CDの聞き流し続けたるに、嗚呼、ここにきて余は、旅行の中止の余儀なくさせられたり。
飛行機の運行停止と空港閉鎖せるは、欧州の一部にて再開なるも、なほ多数の航路閉ざされたるままにて、火山の勢ひの再び盛り返す兆候あるとのニュースさへありけるを。
再開せる路線も、火山灰の雲避けて飛ぶルート模索するなど、正常化には遠き状態なり。
2ちゃんねるはじめ、さまざまなるネット見れば、いまなほ、あまたの日本人の、欧州に取り残されて帰国のメド立たず、悲鳴上げ、疲労日増しに募れるさまこそ、なまなましけれ。
自然の猛威の前に、ジェット機の、先端科学の粋凝縮されたるが、あろうことか、無力の極みさらけ出したりけるよ。
そも、大量の人間乗せて空を飛ぶことの、いかで重力の法則に反せざる。
火山の噴煙、この先も1年から2年続くとせなば、海外旅行は船と鉄道に限るべし。
大量輸送、大量生産、大量消費の文明の、化石燃料をば湯水の如く浪費せるを、このあたりで見直さむとこそ。
19世紀型なる社会に、ふと郷愁の覚ゆるは、春の夢と消へにし旅の幻のなせる業なりや。
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