空き箱二つ重ねて、重き本の読書スタンド完成せり
家にて本を読めるに、おほかたの軽き書物の、椅子にかけたる姿勢にて、手に持ちて読むこと、いと容易なり。
文庫、新書なんどは片手にても持ちて読むこと能ふ。
されど、余が最近、やうやう読み出したる小学館の日本古典文学全集の、1冊の重さなむ1200グラムから1300グラムあるは、持ちて読むことの、いみじう難儀なりける。
机の上に、本を立て架けるべく読書スタンドのあらましかば、重き本なりとも疲れざらましとぞ覚ゆる。
ネットにて調ぶれば、読書スタンドや書見台のたぐひ、あまた売られたりて、価格はおおむね数千円から2万円程度なり。
されど、これらの大半はベッドなどに寝たる姿勢にて読書せむためのスタンドなりて、本の重さや厚さに制約あるもの多し。
市販の読書スタンド見渡せど、余の求むる物のなければ、いかにせむと思案す。
家の中なる空き箱のたぐひの、捨てむも勿体無きとて取りおきたるを、うまく重ね置きなば、重き書物の立て置くこと得るにや、とて、しばし試行してみつ。
いでや、煎餅の空き箱の中箱と蓋を組み合わせたれば、あつらへたるがごとく、重き本の幅よく合ひて、ずり下がることもなく、しかと支えられたるかな。
高さのいまひとつ足らざるを思ひて、下に靴の空き箱を置きてみたり。
こは、適度の高さになりて安定感もあり、下の空き箱の中箱と蓋の置きかた変へたれば、書物の角度の連続的に調整すること能ふやうになりたるぞ(写真上に比ぶりて、写真下は急角度にしたる)。
試しとてこの形にて読書してみむに、すこぶる快適にて、手作り読書スタンドの出来栄え上々なり。
あながちに購はずとも、はつかの工夫の勝れることもぞ、と一人悦に入れる。
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