37度超せる酷暑の中、歯を抜きて来たり
東京はけふも超猛暑日となり、都心で37.2度、練馬では38.2度にもなりぬ。
灼熱地獄の最中、余は歯科医院にて、奥から2番目の歯なむ抜きて来たる。
この歯は、もともと4年前にぼろぼろになりかけたりけるを、幾分なりとも延命せばやとて、歯根を2つに分け、被せ物のみ1つになして、からうじて今日まで持ちこたへたり。
されど、もはや限界なるにや、歯根より入りたるらむ黴菌の、歯茎や顎、頬にまで回りたりて、物も食へぬほどの痛さとなりぬ。
お盆の墓参りから新幹線にて東京に帰りけるに、その足にて歯科医院に駆け込み、こは抜くよりほかにせむかたなし、と診断さるる。
いでや、抜く前の麻酔打たるる、耐へがたきほどの痛さなり。
医師は、「痛きところに麻酔打つ、これすこぶる痛きは常なるぞよ」と冷静に宣ふ。
最初に麻酔の激痛乗り越へたるによりて、抜くこと自体は痛くも痒くもなかりけり。
抜きたる跡は、ブリッジにて義歯を両側の歯より支へることになるらし。
治療の終はるは、9月中旬から下旬ころなるとぞ。
けふはまだ、多少の出血の続くなれば、普通の食事の食ふこと能はざる。
部屋の中さへ熱風満ちたるに、素麺の茹でる熱気の浴び難ければ、近くのスーパーにて出来合ひの冷やし素麺パック贖ひて食らふ。
生きることは、痛きことと覚へたり。
痛さこそ、生きむがための通行料にして、生きたることの証なれ。
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