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2010/09/08

土砂降りの雨に、ゴム長靴の心地良きなり

100908a東京は一箇月ぶりの雨となりぬ。

昼過ぎ、土砂降りの中、外出せむとするに、革靴にては足元の水浸しとならむも必定なると覚ゆ。

靴箱の中、仔細に探るに、いかなる時に求めたりけむや、真新しきゴム長靴なむ一足現れ出でたり。

思ふに、10年ほど昔、やはり台風の中を帰省しけることのありし折、地元にて贖い求めたりて一度のみぞ履きたりけるものらし。

けふは、こを履きて電車に乗れり。ズボンの裾なむ、長靴の内側に入れたる。

いささか歩き難きところはあれど、足元の雨のまたく気にならず、いと履き心地良きものなるぞ。

周り見渡すに、大雨なるを、みなひと常なる短靴にて、ゴム長靴履きたる者おらず。

東京の人は、ゴム長靴のダサさを嫌ふにや。足元ずぶぬれとなりても、一向に平気の様なるは、うたてげなり。

余は子どものころより学生時代まで、雨の日はいつもゴム長靴履きたりけるものなるを。

ひさびさに、ゴム長靴の感触味はひて、これぞアナログの極みなると云ふ気のする。

生き物はなべてアナログなる存在なり。人間は生き物なり。

ゆゑに、人間はアナログにこそ安堵するものならめ。

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コメント

黒ナガさん、こんばんは。
温暖化によって日本列島は、この夏のような猛暑とともに、たびたび激しい豪雨に見舞われるようになる、という予測もあります。
黒いゴム長は、必需品かつお洒落なファッションとなっていくかも知れませんよ。

投稿: BANYUU | 2010/09/11 23:10

管理人様、こんばんは。ご返事を頂きまして有難うございます。

全くご返事のご意見に賛成です。水溜りや泥濘を全く気にせずに堂々と歩けるゴム長は雨の日の「英雄」ですね。

自宅の近所でも私が履いているような黒いゴム長はあまり見かけませんし、近所の靴量販店でも長靴コーナーにおいても品揃えは本当に少ないです。
ゴム長自体が珍しくなってきているのかも知れませんね。以前、病院に履いていったら「注目」されました。


投稿: 黒ナガ | 2010/09/11 22:47

黒ナガさん、はじめまして。
一昨日の土砂降りの中、ゴム長靴を買っておいて、つくづく良かったと思いました。
スボンの裾を長靴の内側に入れてしまえば、足元が濡れる心配をしなくても済むし、これは一種の快感です。
豪雨の時は、短靴をズブ濡れにしている方がダサくて、ゴム長を堂々と履いている方がスマートでカッコいいのでは、という気になっています。

投稿: BANYUU | 2010/09/10 22:43

管理人様、こんばんは。そして初めまして。

私も雨の日は靴を濡らすのが嫌な方なので、ゴム長靴を履いています。そのゴム長靴というのが真っ黒一色の「これぞゴム長」という感じのものです。

ゴム長は「ダサい」というイメージがあるようですが、雨の日は最強の履物に「変身」ですね。雨にぬれてくたびれている靴を横目に誇らしげですね。

そんな私のゴム長ですが、家族の間では酷評されており、うっかり脱ぎっぱなしにしておこうものなら踏みつけられたりベランダに放り出されたりかわいそうな目に遭っております。

最初から長々と失礼いたしました。

投稿: 黒ナガ | 2010/09/10 20:10

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