三菱地所の東新宿再開発とベルリンの壁
けふは、ひたぶるに秋めきて寒さの身に沁むるなり。
ベランダから見やる新宿の街並みに、このところ真東の遥かなる方、大型クレーンの4基立ち上がりて、なにやら巨大なるものの建設の進みたるらし。
昼過ぎから日のさしたるに、散策日和なると思ひて、その建設のところになむ、ありきて尋ね往ける。
明治通りの東側、地下鉄東新宿駅わたりの広大なる一角に、大規模なる再開発の、すでに20階ほどの高さまで鉄骨の築かれたるを見たり。
こが、三菱地所による新宿6丁目の日テレ跡地再開発にこそあらめ、と覚ゆ。
三菱地所の新宿進出、すでに新宿の西の端なる青梅街道沿い、北新宿2丁目にて第1弾の再開発ビル建設進みたりて、東の新宿6丁目の再開発ビルは第2弾とぞ。
こちの再開発、32階建て賃貸住宅を中心とせるS地区と、20階建てオフィスビルを中心とせるN地区とに分かれ、いま建設の進みたるはS地区の高層棟なり。
S地区とN地区を合はせたる名称は、三菱地所によりて「新宿イーストサイド」となむ命名されたりける。
イーストサイドとは、いづくにてか、聞き覚へのあるやうなる心地ぞする。
さなり。おぼろけながら、思ひ出でたるは。
ドイツはベルリンの東側に、歴史の証人とていまなほ、1.2キロに渡りて保存の図られたる「ベルリンの壁」ぞ、「イーストサイド・ギャラリー」と名付けられたる。
このギャラリーなむ、1989年の壁崩壊後の90年から、21箇国100人以上のアーチストの手によりて、政治風刺なんどの絵やイラストの描かれたるオープン美術館なる。
壁崩壊から20周年の2009年には、世界中からあまたのアーチスト集ひて、汚れたりける絵の修復作業行なわれたりけるとぞ。
ベルリンのイーストサイドの重さを思ふに、新宿のイーストサイドのいかにか平和ならざらむや。
秋の陽に イーストサイドの 輝り映へて
哀しみの壁 夜霧に黙す
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