不要のフロッピーディスク、分解し毀ちて捨つる
いにしへ、3.5インチのフロッピーデイスクの、最先端を往ける記録媒体とて、一世を風靡したる時代ありき。
余の手元には、昔のフロッピーデイスク、いみじうあまたあるも、いまはおほかた不用品となりてぞ、溜まりに溜まりたる。
古くは、ワープロ時代のパソコン通信草創期のものなりて、会議室(こは懐かしき呼び名なり)に書き込むさきに、オフラインにてメッセージを書きて、そをいったんディスクに保存し、おもむろにアップしたるものの原本なり。
フロッピーに貼られたるラベル見れば、これらの中には20年から25年ほど昔のものも少なからず。
また14年前にウィンドウズ95を贖ひたりて後も、記録媒体は、やはりフロッピーデイスクのみの時期なむ、長く続きたりける。
時代は移り変り、いまのパソコンにはフロッピーの挿入口すらなく、フロッピーの中身を見むとせなば、外付けのフロッピーデッキを必要とするなり。
まいて、パソコン通信時代の旧きフロッピーは、パソコンにては開くことだに能はず。
記録媒体の主流は、DVDやブルーレイディスク、USBメモリー、外付けハードディスクなんどとなりて、もはやフロッピーは前世紀の遺物となりつつあるとぞ。
溜まりたるフロッピー、廃棄せむと思ひ立つに、問題は二つありけるは。
一つは、個人情報の流出をばいかに防ぐや。もう一つは、フロッピーは燃ゆるゴミなりや否や。
この二つを一気に解決せばやと、余は初めてフロッピーを分解してみたり。
まずは、プラスチックの本体を手にて捻りて、表裏を分離し、磁気フィルムの部分ぞ取り外したる(写真)。
磁気フィルムの真中の丸き金属部分を外し、薄きフィルムをハサミにて寸断す。これによりて、データなむ強制的に破壊せる。
金属部分のみ燃えざるゴミに、そのほかは、なべて燃ゆるゴミにと分別す。
フロッピーは何もせずとも、丸ごと燃ゆるゴミに混ぜて捨つるも可なり、とは清掃事務所の説明なるが、磁気フィルムにデータの残れるまま捨つるは、なにとはなしに気がかりなるものぞかし。
| 固定リンク
コメント