給湯器の故障したりて、危ふく湯の出ぬ祝日に
けふの朝、洗顔せむとするに、屋外に設置せるガス給湯器の湯、はじめは例のさまにて出たるに、半ばから、いかなるにや、きと冷水に変はりて再び湯に戻らず。
室内の操作盤見るに、通電はしたる表示なるが、蛇口捻りて湯を出さむとすれば、通電示す表示の消え去りて、見しこともなき「19」の数字の、あやしうぞ現はるる。
取説探し出でて、「19」の意味するところ、調ぶれば、「リモコンケーブルの地路 機器内配線(12V回路)の地路」と書かれたりて、余のごとき素人ユーザーには、をさをさ理解すること能はず。
メーカーのサービス窓口に電話して、修理を依頼するも、けふは祝日なるによりて、サービスマンとは連絡え取れずなるとぞ。
明日のつとめて、サービスマンより電話掛くるやう伝えむに、そを待ちて修理日なんど打ち合はせたし、と云はるる。
げにユーザーに冷たき給湯器メーカーなるかなと、まがまがしう覚ゆれど、いかんとも術なし。
けふは一日、湯の無き生活ならむや、さとても風呂に入らでは惨めなる祝日のことぞ、と暗然たる心地する。
ややありて気を取り直し、ネットにて「給湯器 故障」を検索するに、あまたの事例、ユーザーたちによりて書き込まれてあり。
その中、「教えて!goo」の書き込みに、注目すべき内容のあり。
「電源コンセントからプラグを抜き、リセットする」によりて、大半が解決したりける、とこそ。
これぞ、と余は目からウロコの思ひにて飛びつけり。
雨の降りしきるベランダに出でて、屋外給湯器の電源コンセントからプラグを抜き、再びプラグを差し込める。
蛇口を捻りたれば、いでや、熱き湯の滾々と流れ続くるは。
「19」の、けにくき数字なむ、二度と現はるることのなかる。
かくて、給湯器は正常に戻れり。サービス窓口に電話して、修理のキャンセルを伝ふ。
「コンセントからプラグを抜き、リセットする」てふ、魔法のやうなる解決法のあるを、いかで取説に一言も書かれずなるや。
サービス窓口の担当者も、この方法試みむことを、なでかアドバイスせざるや。
窮すればネットを見よ、こは今様の鉄則なるぞかし。
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