1年3箇月かかり、和漢朗詠集やうやう読み終へたり
去年10月ころより読み始めたる『和漢朗詠集』(小学館日本古典文学全集)なむ、1年3箇月かかりて、やうやう読み終へたる。
1冊の本の読みきるに、かくも長き日数要したるは、余にとりて初めてのことなるは。
2007年春に、トルストイ『戦争と平和』を数十年ぶりに読みきりし時は、50日ほどかかりたりしが、最近にては長き日数要したる例なり。
『和漢朗詠集』は、巻末の付録を別になすとも、436頁ありて、収録されたる詩歌は803首に上れり。
読み進む速さの遅遅として進まぬ訳は、収録詩歌のうち587首が漢詩の佳句なるにあり。
まずは訓み下し文に始まりて、一つ一つの語句の注釈、現代語訳、他の文学作品への引用例や影響なんどに言及せる解説へと読み進み、最後に漢詩の白文を読みて、諳んじて訓み下せるやいなや、大意は白文にて掴めるや、等々を丁寧に遣りおほせると、1日に1頁か2頁ぞ限度なる。
平家物語、枕草子なんどの古典読むと、和漢朗詠集から引かれたる詩歌のひたぶるにあまた文中に出でたるに、一度は通読したしと覚ゆれば、読み始めたるなるぞ。
読了までにいみじう時間のかかりたるによりて、最初の頃に読みつるくだりは、記憶のおぼろなるもあるに、頁捲り返せば思ひ出すは難からず。
いまは読み遂せたる達成感こそあれ。
心に深く刻まれたる詩歌、数へきれぬほどある中に、最後の方なる白居易の佳句は、現代に生きるすべての者に、その意味を問ふ絶品なるによりて、ここに掲げておきたし。
蝸牛角上争何事石火光中寄此身
訓み下し文は「蝸牛の角の上に何事をか争ふ 石火の光の中に此の身を寄す」にて、意味は次のやうなり。
かたつむりの角の上のやうなる狭く小さきところにて、何をあくせくと争ふにや。
人生は、石を打ち合はせて出る火花のやうなる短き一瞬の時間に生きているものなり。
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さあらば、どなたも、みなみな、よき年を迎へられむことを、祈り奉るぞかし。
Please welcome a Happy New Year.
Пожалуйста, желанным хороший год.
S'il vous plaît accueillir une bonne année.
Bitte begrüßen Sie ein gutes Jahr.
Vogliate prego benvenuto un buon anno
请请迎接好年。
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