みづから鴨丼を調じて食らひ悦に入る
おほかたの蕎麦屋には鴨南蛮や鴨せいろのあるを、世に鴨丼なるメニュー供する店はあるにや。
ネットにて調ぶるに、鴨料理専門店はあれど、鴨丼なむ手軽に食はせる店、とんとあらずなるは。
されば、鴨丼食はむと欲する者、みづから調ずるほかにずちなし、とこそ覚ゆれ。
かくて余はけふ、鴨ロース肉ぞデパ地下にて贖い来たる。
鴨丼のレシピ、ネットにあまた書かれたるが、みな調じ方や味付けのそれぞれに異なりて、唯一絶対なる鴨丼レシビは存在せずなるらし。
そこで余は、自己流の即興レシピにて、鴨丼つくりにチャレンジしたり。
材料(1人前) 鴨ロース肉100グラム、葱2分の1本、クレソン3本、白飯、つゆの素(にんべん)、料理酒、塩、胡椒、サラダ油
まずは鴨肉に、軽く塩胡椒を振れり。葱は斜め切りにす。
フライパンにサラダ油をひきて葱をいため、きつね色になりてしんなりしたれば、葱を取り出せり。
油を少々足して、鴨肉を焼きたり。ここは焼きすぎぬことぞ肝心なる。
中火にて裏表ともに火が通りたるころあひに、つゆの素、目分量にて大さじ1杯半ほどふりかけ、すかさず料理酒少々をふりかけたり。
たれのまんべんなく絡まるやうになりたれば、火を止め、白飯の上に鴨肉と葱乗せて、フライパンの中のたれをかけ、クレソンぞ添へたる。
焼き時間計りたるにはあらねど、鴨肉のミディアムレアになりて軟らかく、味付けも我ながら上々の出来栄えなるぞかし。
いでや、この味、病み付きになるにやとこそ。
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