1000年に一度の大地震とぞ
また、同じころかとよ、おびたたしく大地震(なゐ)ふることはべりき。そのさま、世の常ならず、山はくずれて河を埋み、海は傾きて陸地をひたせり。土裂けて水涌き出で、巌割れて谷にまろび入る。
塵灰たちのぼりて、盛りなる煙のごとし。地の動き、家の破るる音、いかづちに異ならず。家の中にをれば、たちまちにひしげなむとす。走り出づれば、地割れ裂く。羽なければ、空をも飛ぶべからず。竜ならばや、雲にも乗らむ。恐れの中に恐るべかりけるは、ただ地震なりけりととこそ覚えはべりしか。(鴨長明「方丈記」)
| 固定リンク
コメント
大地震の破壊力、人間の脆さ。何もかも、千年前と変わるところなし。
投稿: BANYUU | 2011/03/22 18:13
納得! 方丈記の冒頭が大好きな者より。
相も変わらないのは、人間か!
投稿: 元島 | 2011/03/22 11:35