新聞のスクラップ帳を再スクラップせむとて
なにごとも、過ぎたるは及ばざるが如しなるは。
余は、ホームページを立ち上げし1997年2月より今日まで、これぞとおぼしき新聞記事の目に入るたびに、ハサミにて切り抜きては、スクラップブックに糊をもて貼りゆき続けたりけり。
やうやう気がつけば、スクラップブック、40冊にも膨れ上がりて、収納すらままならず、押入れに無理やり、ぎうぎうの様にて詰め込み入る状態となりぬ。
かつて切り抜きたる記憶のある記事、改めて読み返さむと欲するも、おおよその掲載日付だに記憶にあらねば、いづこのスクラップブックのどのページにあるやも分からず、結局、探し出すことの能はずなむなりける。
せめて、簡素なインデックスなんどを付けて、内容の検索し易きやう、整へたりなばよからむと思へど、かくまでスクラップの膨大になりつれば、もはや遅し。
このままなれば、せっかくの手間隙かけたりし新聞スクラップぞ、無用の長物となり果つべしと憂ひ、余は一大決心をして、溜まりたるスクラップ帳を一冊ずつ、再スクラップする作業に取り掛かかれる。
コンピューターの2000年問題(いはゆるY2K)なんどのやうな、すでに終りたりける一過性の出来事や、大きなる事件事故がらみの解説記事は、よほど参考となるべくデータや考察の書かれたるものを除きて、思ひ切りて捨つるを旨とす。
そのかはりに、たとへ短き記事にても、ネットなどにては掲載されざる貴重のデータや、思はず膝を叩きたくなる鋭き視点や、唸りたくなる絶妙の文章は、ていねいにスクラップブックから、台紙ごとハサミで切り取りつ。
これらの記事は、かつて新聞紙から切り取られ、いままたスクラップ帳から切り取られ、2度の篩にぞかけられたりける。
作業はまだ2割ほど進捗したるほどにて、再切り抜き率はいまのところ40分の1ほどなり。
再切り抜きしたる記事は、あらためてスペシャル版スクラップとして、新しきスクラップブックに張らむとこそ。
ハサミと糊による超アナログの情報庫なれど、デジタルの世界からは得られ難き珠玉の情報ぞろひなるぞかし。
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