新宿の老舗店に、ひた寄する時代の波
新宿の中にて、変貌著しき西口や南口に比べ、のびやかなる構へにて、昔の面影留めたる東口一帯は、紀伊国屋書店、伊勢丹本店、新宿中村屋、新宿高野なんど、あまたの新宿文化人育み来たりける老舗なむ多く並び居れる。
その老舗にも、昨今の時代の波、ひたひたと押し寄せたりけり。
印度カリー発祥の地てふ新宿中村屋は、建物の老朽化による改築に向け、10月19日を持ちて休業せむとの貼り紙なむ出でたる。
休業期間は3年後の平成26年秋までとぞ。
その間のレストラン営業は、新宿高野6階に仮店舗設けて続くるとや。
新宿高野6階には平成14年より、なだ万アプローズてふ創作和食の佳きレストランありけるに、こは8月末にて閉店すなると聞き、跡はいかならむと、ゆかしく思ひつるに、がてんなるぞかし。
けふ、新宿通りから伊勢丹に入らむと行けば、店舗休業日の札かかりたり。
伊勢丹本店ぞ、いみじかりし昔は水曜日ごと定休日なりて、三越の月曜日、小田急の木曜日とともに、定休日を週の平日に分散はかりて共存しつる。
さるを、百貨店同士の大競争時代迎へ、いつしかどの店も定休日廃止に踏み切りて、通年営業当たり前となりたる期間の長らく続けり。
伊勢丹の定休日復活なむ、大震災・原発事故の影響受けたる節電対策の一環なるとや。
とりあへず今回は8月のみの措置なりて、次回の定休日は30日の火曜日なるらし。
ひさびさに見ゆるデパートの定休日もまた、のんびりと社会のありやう考へる機会と思へば、これもまた良し。
8月のみと云はず、このまま火曜日定休を続くるとも、さほど不自由はなからむ。
他のデパートもなべて、週一回の定休日復活させなば、都市の光景も少しは落ち着きを取り戻すにやとこそ。
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