身の丈3メートルの怪人とベビーカーの子ども
けふは、秋深まりゆくこの時期恒例なる新宿芸術天国2011の開催されたり。
去年まで白塗りの怪人、この天国に出現したりけるに、今年は黄金色の怪人ぞ登場せる。
こは、ダークラクーてふフランスからの招聘ゲストなるらし。
去年までの白き怪人の、ひたぶるに無表情にて不気味なるに、今年の黄金怪人、どことなう人間臭さ発揮したるこそ、をかしけれ。
長き手にて、観客のオバハンの帽子つまみ上げ、高き鉄柱の上にかけて、あとは知らんぷりとよ。
かと思へば、いきなり路上にキャンデーばら撒きて、観客の子どもら、わっと拾ひ回りて、喜ぶことなのめならず。
あまつさへ、観客の中より、ベビーカーを子どもごと奪ひて、押して歩けり。
ベビーカー奪はれたる母親、慌てるどころか、ケータイ取りだして、怪人とベビーカーの、記念撮影になむ、夢中となれる。
子どもは眠りたるにあらぬを、泣くでなく騒ぐでなく、怪人の押せるベビーカーにて心地良げなるぞかし。
こは怪人にあらずして、快人なるや。
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