胃カメラ検査中に異変起き、入院・点滴ぞ
昨日は、毎年恒例となりつる胃カメラ検査受くるとて、朝9時前に病院に赴く。
いつもなら検査そのものは10分足らずにて、検査後30分ほど休息したるも、会計を終へて病院を出るは正午ころなるが常なり。
昨日も鎮静剤なんど打たれた後、胃カメラ喉をするすると通りて、食道・胃わたり撮影し回り、これにて終了てふ時ぞ、医師や看護士たち、にはかに慌てふためきたる。
「あなや、脈拍の急上昇したりて、不整脈いでたり。とく入院の必要あるぞかし」と、緊迫せる声にて云はれ、余は何がなにやら、ちとも解せぬうちにストレッチャーに乗せられ、そのまま病室に運ばれたり。
鎮静剤いまだ醒めずして、おぼろなる状態の余に、看護士たちは、病歴や家族構成なんど、矢継ぎ早に尋ね、余は何と答えたるやも覚へぬまま、なにやらぽつぽつとロボットのごとく、無機的に話をしたるらし。
さるほどに、心電図の測定始まり、一定間隔にて自動的に血圧測る装置なむ、装着せらる。
異変の起きたる自覚だに、ゆめゆめなかりけるに、気がつけば余の右腕には点滴のコードつけられたるは、なにごとぞ。
そも、余はこのまま何日間か入院せむとや。はたまた日帰り入院にて済むにや。見通しを看護士に尋ぬるも、「医師の診断いかんなるぞ」と云ふのみなり。
かくて病室のベッドに横たはり、朝の時点にては想定もせざる入院生活の身となれり。
パソコンやテレビはもとより、ケータイも新聞も本も、何もなき空間にて、無為なる時間は遅遅として進まず。
医師の診断はいかに、と早うに知らまほしきところ、看護士なむ入り来て、「入院のご案内」なるパンフ渡され、「入院診断計画書」に署名させらる。
いよよ、こは長期入院になるらむ、と気の滅入ること、云ふもさらなり。
やうやう事態が動きたるは、夕方4時ころなるは。
心電図なんどの検査の結果、循環器系に異常なし、と看護士の告ぐる。
ついで、胃カメラ担当の医師の来たりて、上部消化管にも異常なく、とくに自覚症状なければ、これにて退院とするも可なり、とぞ。
かくて、やまどりの尾のしだり尾のごと、長長しき半日入院はジ・エンドとなり、余は5時過ぎ、からうじて病院から解放されたりけり。
結果的に、いかなる異常もなしとのお墨付き得て、我が家に帰還し、あらためて変哲なき平凡なる日常の有り難さなむ、しみじみと噛み締めたる。
途中経過に波乱あるも、終はり良ければすべて良し、とこそ。
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