安くて美味かつサービス満点のステーキ店
高くて美味なる飲食店ぞ、世に星の数ほど在るも、高ければ美味なるは当たり前のことなる。
安くて不味き店もまた、世にあまた在りて、これまた当たり前のことなり。
高くて不味きは論外なりて、かやうなるは、とく店たたみて廃業すべし。
余はこのところ、安くて美味なる食べ物屋探すことに、いたく執心したり。
その中でも余がナンバーワンと覚ゆるは、新宿の某所某ビルの地下1階なるステーキ店にこそ。
この店、数年前に一度訪れたるも、昼間なるにタバコの紫煙もうもうたりて、咽るほどなりき。
余は会計のオバハンに、「せめてランチタイムくらひは禁煙にせまほしきに」と云ひ、オバハンは「そのこと伝へおかむぞ」と弄へり。
この間、絶えて訪れることもあらぬに、この店、いつしかランチタイム全面禁煙となりたること知りぬ。
いかがならむと訪れてみれば、紫煙消へたる店内は、空気もさやかにて、OLのおひとりさまも気楽に食事楽しむ店に変身したり。
ランチステーキは1050円にて、脂肪カットしたる赤身の牛ステーキ100グラムに、たっぷりの温野菜、レモン、バターなむ添へられたる。
カップスープ、生野菜サラダ付きて、ライスはお代はり自由とぞ。
これにても充分なるに、毎回、会計時にソフトドリンク等のサービス券1枚貰へる。
さらに昼の1時半過ぎに入店せる客には、なべてコーヒー・紅茶のサービスあり。
余は昼食の2時近くなること多ければ、コーヒーのサービス受け、サービス券にてアイスクリーム頼みてともに味はひぬ。
土曜日は、これに加ふるにワインサービスまでありて、赤ワインか白ワインかの希望尋ねらるるも、余はアルコール呑まねば、もったいなく思ひつつ、毎回パスしたりけり。
なにごとも儲け第一のこのご時世に、こは庶民の懐に優しくて得難き店なるぞかし。
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