春分の日、季節外れの生柿は甘露なるかな
余は、これぞと好み入りたる食べ物を、飽きもせで、これでもかこれでもかと、食らひ続くる癖のありける。
去年の秋から、余がはまりたるものは生カキなり。
カキはカキなれど、生牡蠣にてはあらず、生柿の方なるぞ。
きっかけは、めったに柿を求むることなき余が、スーパーにてたまたま富有柿購ひて食らひたれば、そのシャキシャキした食感の甘くてジューシーなること、ひたぶるに病みつきになりたり。
スーパーにて1個80円程度にて売られたるを、毎日半分ずつ食らふが日課となる。
真乗院の盛親僧都の、いもがしらを好みて大きなる鉢にうずたかく盛りて、食ひながら文をも読みけるも、かくやと覚ゆる。
秋過ぎて厳冬の期間も、富有柿なむ常に店頭に並べられたれば、なほも連日、食らひ続くる。
さすがに、2月の後半よりスーパーの柿、しだひに数少なく高価になりゆきて、1個300円ほどになる。余は購い続くる。
3月となりて、いづくのスーパーからも、生柿の姿消ゆれば、余はデパ地下なむ探して回りたる。
あるところにはあるものにて、新宿タカシマヤにて、富有柿3個入り1000円にてあるを、からうじて求めたるが今月10日ごろのことなり。
やがてそれも姿消して、生柿はもはやこれまで、と思ひきや、ネットを調べまくれば、いまだ生の富有柿、販売し続くるは。
5キロほど入りたる1箱単位にて、送料やクール代含め、約3100円はこの時期、高きや安きや分からぬも、とまれ購ひてみる。
送られて来たるは、1個ずつビニールパックに包装されたる生柿にて、26個もあるぞかし。
とく冷蔵庫に収納するも、中は柿だらけになりて、こは鮮度保てるうちに食らひきれるにや。
連日2個ずつ食らひゆけば、腐らすることなく、食らひ尽くせるにやと、精力的に柿を食らふ毎日なるぞかし。
柿食へば 甘露甘露の 春彼岸
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