東京にて173年ぶりなる金環日食を見たり
昨夜の天気予報では、東京なんど太平洋沿岸は、朝からなべて曇りとのことなりき。気象情報のお姉さんの、申し訳なささうに伝へたるは。
されど、天気予報も当たらぬこと、ままありて、けふ朝になれば、いでいで、ところどころに薄雲かかりたれども、雲の切れ目から日の輝きたるは、夢かとぞ。
余は部屋に居ながら、雑誌付録の遮光プレートかざして、太陽を見やりたり。
部分日食のやうやうに進行したりて、つひに午前7時32分ごろ、見事なるオレンジ色のリング完成し、世紀の金環日食となれる。
金環食の持続は、はつかに5分ほどなれど、見ること能ひたるは、いみじき幸運のきわみにて、嬉しきことなのめならず。
ケータイの前に遮光プレート付けて、ダメモトで写真撮れば、不鮮明なれどいちおうリングの形して写りたりけり。
「世紀の」てふ言葉、ちかごろは何事につけ安易に用いらるるも、こと金環食に関する限り、掛け値なしの言葉とこそ。
前回、東京にて金環食の見られたるは、天保10年(1839年)のことにて、以来173年ぶりなり。
さらに、今回のやうに東京、名古屋、大阪を含む広き地域にて金環食の見られたるは、平安時代後期の承暦4年(1080年)以来、932年ぶりとぞ。
次に東京にて金環食の見らるは、300年後の2312年4月8日なるらし。
されど、300年後の当日、晴るるてふ保証のあらうかは。
あらためて、けふの天気予報はずれたること、いかで幸せならざらむや。
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