ねがはくは花の下にて
ねがはくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月のころ 西行
余の人生の残り時間は、いくばくのものなりや。厚生労働省の生命表見るに、平均余命は15年ほどと知る。
大病をせず、寝たきりにもならず生きつるとて、いずれは終焉を迎ふること避けられず。
その後、余は永遠の眠りにつくとて、現世に残したるお骨なむ、いかにすべき。
余は墓石の下に入ること、辛気くさき感ありて、気が進まず。
海への散骨てふ方法あれども、費用と手間ひまかかり、墓標の残らぬこと、いと悪ろし。
そこで余が選びたるは、樹木の下に眠ることなるぞかし。
それもサクラの木の下ならば、さらに良からむとこそ。
一昨日、その場所を見て来たり。
国立公園内の絶景の地なり。
この花の下にて眠り続くるのも、また楽しからずや。
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