2013/04/24

「朝びらき」てふ名前の犬を見かけたり

130424aけふ家の近くを散策せるに、とある建物のガラス戸越に、白き犬の道路を向きて横たはるるに出会ひたり。

ガラス戸に、この犬の自己紹介文の綴られたる、いとをかし。

名は「朝びらき」にて、5才の柴犬とぞ。

犬の名に、朝びらきとは、こはいかに。

辞書をくくりてみれば、朝びらきとは、「朝、船が港を出ること、すなはち、朝の船出のこと」とあり。

今様にては、ほとど使はるることなき言葉なれど、万葉集には沙弥満誓(さみのまんぜい)の歌あり。

世の中を何に譬へむ朝開き漕ぎ去にし船の跡なきごとし

こは、無常観を詠みて絶品とさるる次の歌にいみじう似たるも、万葉集が元歌にて、そを形変へて古今和歌六帖や拾遺集なんどに収録されたるとや。

世の中を何に譬へむ朝ぼらけ漕ぎゆく船の跡の白波

朝びらきが朝ぼらけと変はり、「跡なきごとし」を「跡の白波」と置き換へたるによりて、茫漠たる無常観の切々と迫れる歌となれり。

こは平家物語に、俊寛僧都足摺のくだりにも使はれたる。

足ずりをして、是乗せてゆけ、具してゆけと、をめきさけべども、漕ぎ行く舟の習ひにて、跡は白波ばかりなり

この歌からの派生歌は数知らず、鴨長明なむ、かく詠みたる。

これも又なににたとへむ朝ぼらけ花ふく風のあとのしらなみ

朝びらきは朝ぼらけに通じ、白波へと連なり消ゆれば、深き余韻を残す。

白き犬に朝びらきと名づけたるは、げにとこそ奥ゆかしけれ。

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2006/01/04

少子化が進む一方で飼い犬が倍増とは!?

戌年ということで、犬に関する話題がこのところニュースになっている。

日本で飼われている犬はどのくらいの数になるか。

日経のコラム「春秋」よると、これが1250万匹(頭ではないのか?)で、1980年代から倍増してついに小学生以下の子どもの数と肩を並べた、というのだ。

「人間が減る一方で犬が増え続けるのが、この国の実像である」とコラムは指摘する。

たかが犬の話ではあるが、小学生以下の子どもの数と、飼い犬の数が並んだというのは、見過ごせないものがある。

犬1匹にかかる費用は、このコラムによると年に12万円という。犬は何歳まで生きるか知らないが、10年生きたとして120万円。15年生きるならば180万円の費用がかかる。

一方、子育てにかかる費用は、国民生活白書によると、1人目の子どもで1302万円、2人目で1052万円、3人目で769万円となっている。

多大な費用がかかる子育てをあきらめて、犬を飼う夫婦が増えているのだろうか。あるいは結婚をしないで、犬を伴侶としている独身者が増えているということのか。

やがて、このままでは犬の数が子どもの数を上回るのも、時間の問題かも知れない。

子どもが減りつづけて犬が増えつづけている現状を、政治はどうみるのか。小泉首相や猪口少子化担当相の意見を聞いてみたいものだ。

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2005/10/17

犬を飼うことが入居条件の愛犬マンション

「ペット不可」のマンションが大多数の中で、必ず犬を飼うことを入居者に義務付けた賃貸マンションが、東京・三鷹に登場したという。

マンションの各戸には、雑菌やにおいを抑えるコーティングが壁と天井に施されているなど、対策も万全とか。

4階建てで全14戸のうち、すでに13戸が埋まっているというから、これは現代のお犬様御殿である。

建てたのは市内の不動産経営者で、「全員が犬を飼うことで、互いに気兼ねやストレスを感じない環境をつくるため」という。

経営者はもしかして、徳川五代将軍綱吉の生まれ変わりだろうか。

これでこんどは、猫好きの人たちが黙っていないのではないか。入居者にネコを飼うことを義務付けたマンションも登場するかも知れない。

いや、世の中には爬虫類をペットとして飼っている人たちも少なくない。

いずれ爬虫類マンションも登場して、廊下やエレベーターに、ニシキヘビからワニ、イグアナなどが、ウジゥジャするようになるかも知れないぞ。

ともかく、「不可」が主流の中で、「可」を打ち出して売り物にするという発想の転換は、大いに結構なことだと思う。

ペットだけではない。ステレオからテレビ、楽器など大音響をこよなく愛する人たちのための、「大音響マンション」というのがあってもいい。

ただし、周囲のほかの住宅には音響がもれないようにして、マンション内部でお互いの大音響を楽しんでほしいものだが。

(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の21世紀エッセイ「時間の岸辺から」に、「株の販売電話は、高校の同窓会名簿が売られたため」をアップロード)

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2005/08/24

ペット連れの入店お断り、文字より効果的な標識

05-08-24_12-49近所のお惣菜屋さんの入り口に、ワンちゃんは入っちゃダメ、ということをイラストだけで示す標識が貼ってある。

文字は何も書かれてないのだが、アピールする力は強力だ。

かつては、「その筋のお達しによりペット連れでの入店はご遠慮下さい」などと書いた札を入り口に貼っている店をよくみかけた。

しかし、文字による注意書きというのは、読まれないだけでなく、読んでも無視されやすい。

揚げたてのフライやコロッケなどが、剥き出しのまま並べられている売り場で、ペットを抱えた女性が品定めしていても、店の人が注意出来ない光景はよくある。

道路標識のようなイラストには、交通ルールを守るのは当然のマナー、というような雰囲気があって、いかにずうずうしい人(あえてオバサンとは言わないが)であっても、これを無視して入る度胸はないのでは、と思う。

05-08-24_12-50別な店でも、似たような標識が入り口のドアに貼ってあるが、こちらは、「ペットの入店はご遠慮ください」と文字も書かれている。

イラストが使われる大きな理由の一つは、ここ数年、日本に住む外国人が多くなっていて、外国人がペット連れでお惣菜屋やコンビニに来るケースが増えていることではないか、と推測する。

無用のトラブルを防ぐためにも、言葉の壁を越えて、どの国の人でもたちどころに意味が伝わるイラストは効果的なのだろう。

これらのイラストは、一種のアイコンといっていい。

外国人だけでなく、日本人にも文章よりアイコンの方が直感的に受け入れられる時代なのかも知れない。

(表の新着情報:「21世紀の歩き方大研究」の21世紀エッセイ「時間の岸辺から」に、「8月の終わりの寂しさと空白感はなぜだろう」をアップロード)

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2005/02/15

水を入れたペットボトルは猫除けになるか

050214_101500街を歩いていたら、妙な光景に出くわした。

角地に立てられた中規模のマンションなのだが、取り囲む敷地の境界に、水を入れたペットボトルをズラリと並べている。その数、40本から50本はある。

ははーん、これは猫除けだな、とすぐに分かる。

ひところテレビで、水を入れたペットボトルが猫除けの効果がある、と放映されたことから、猫嫌いの人たちがワッと飛びついた時期があった。

しかしその後、ペットボトルにビクとも動じない猫の姿が映されたりして、猫除けの効果はない、ということになっている。

それどころか、水を入れたペットボトルが太陽光を集めるレンズの役目を果たして、火事になった事例があったりしてからは、ペットボトルは危険だとさえいわれている。この記事なども参考。

こんなに多くの水入りペットボトルで囲まれたマンションも珍しいが、よっぽど猫嫌いの人が住んでいるのだろうか。

「猫に餌をやらないで下さい」という注意書きも張られているということは、これだけペットボトルを置いても、餌を求めて出没する猫たちを防ぎきれていないようだ。

水を入れたペットボトルに猫除けの効果がある、と最初に言い出したのは、埼玉の主婦とも茨城の主婦とも諸説がある。

沢山のペットボトルを並べて輪をつくり、その中に魚やマタタビなど猫の好物を置いて、空腹の猫たちを連れてきたらどうするだろうか。

この程度の「実験」はすでに行われていて、「効果なし」の結論になっているのかも知れない。

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2004/10/03

マイシティ新宿の地下2階が、全面リニューアル

04-10-03_12-17.jpgマイシティ新宿の地下2階が、これまでの食料品売り場から全面リューアルして、個性的な店が並ぶおしゃれなフロアに生まれ変わっている。

なんの店だろうかと立ち止まりたくなる店も少なくない。

真っ赤な自転車に乗る犬。この店は、DOG CLUB ISTという、犬のための専門店だ。

この店のインテリアや品揃えは、ペットショップという概念をはるかに超えている。

犬のためのジーパンやジーンズの帽子、ハンチング、タイ付きシャツ、ベストなどは、人間がほしくなるくらい洗練されていて、それなりのお値段だ。

ちなみに、ジーパンは8000円、ベストは7000円、帽子は4000円だから、ほぼ人間のものと同じくらいだ。

乗降客数が日本一の新宿は、日々に変貌を重ねつつあり、永遠に完成をみることのない都市なのではないか、とさえ思われる。

いまは新宿三越が、百貨店であることをやめて大改装工事中で、オープンすればマイシティ新宿と競い合う個性的なテナントが数多く出現しそうだ。

新宿のデパートの中で、最も新宿らしいカラーと時代を先取りする前衛性で、大きくリードしているのは伊勢丹だ。

伊勢丹のデパ地下は、OLたちに圧倒的に支持されているが、これに負けていないのが、小田急のデパ地下で、おそらく新宿で一番の規模だろう。

8年前に華々しくオープンした南口の高島屋は、地下街に接続されていないのが弱みで、現在大工事が進む南口周辺と甲州街道の整備に、どれだけ一体化されるかがカギになりそうだ。

京王は、阪神タイガースグッズをおくなど工夫はしているのだが、小田急のように南口に通じるモールがないため、人の流れがストップしてしまうという構造的な問題がある。

新宿の街はいま、JRの線路によって東西に分断されていて、地下でしか行き来することが出来ない。

新宿のさらなる発展のためには、一日も早く、広くて使い勝手のいい東西自由通路を設置することが急務だろう。

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2004/08/05

四谷怪談でネズミがしばしば登場する理由は

だいたい8月も今頃になると、どの新聞も原稿が夏枯れとなってきて、ヒマダネが目立ってくる。

今日の朝日夕刊の1面トップは、「クマネズミ注意報 火災の原因 相談も急増」とあり、カラーでネズミの写真を載せている。
典型的な取り置き原稿で、日付が入ってないため、ニュースのない今頃でしか、1面トップにはならない内容だ。

ネズミといえば、東海道四谷怪談では欠かせない存在だ。

最も知られているシーンは、顔が崩れて苦しむお岩の赤子を、ネズミがくわえ去る場面だろう。

歌舞伎では、作り物のネズミをうまく動かして、これも人形の赤子をくわえて逃げ去るように見せているが、それでもこの場面は鬼気迫るものがある。

ほかにもネズミは、人間を掘に落としたりかじったりして、この演目の中でしばしば登場する。

なぜネズミなのか。僕は深く考えたこともなかったが、ネットでいろいろ調べていて、意外なことを知った。

それは、お岩がネズミ年生まれであることから、ネズミはお岩の象徴であり、お岩の苦しみと怨念の象徴として描かれている、というのだ。

なるほどねえ。それにしてもお岩がネズミ年生まれだというのは、どうして分かるのだろうか。鶴屋南北の原作に書かれているのだろうか。
詳しい人がいたら、教えてほしいものだ。

いつも思うのだが、ココログのカテゴリーは、もうちょっと何とかならないものか。当てはまるものがなくてみんな困っているのじゃないだろうか。
この記事のカテゴリーは、しょうがないから「ペット」にしたけど。

(追伸:「21世紀の歩き方大研究」の新世紀つれづれ草に、「日本の人口は来年が峠、500年後には縄文時代の13万人に」をアップロード)
 

21世紀の残り日数 35212日

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2004/07/26

5月末に死んだ猫あてに、手紙がきた

 今日配達された郵便物の中に、「○○万太郎様」という手紙があった。
 万太郎というのは、我が家で14年間家族として暮らし、5月31日に他界した猫である。

 2004-0726.jpg差出人は、大リーグで活躍する松井秀喜のホームランカード事務局だった。

 もう10年以上昔のこと、甲子園の夏の高校野球全国大会で、松井秀喜が全打席敬遠されるという、前代未聞の試合があった。
 この敬遠は大ブーイングを呼び起したが、一振りもすることを許されなかった松井は、意外にサバサバしていて、それ以来、僕はすっかり松井のファンになった。

 松井は巨人に入り、松井秀喜ホームランカードがスタートした。僕は巨人嫌いではあるが、松井だけは別だ。

 松井ホームランカードは1人1枚限りとなっているため、僕は家族の名前全員で申し込むことにした。
 こうして猫の万太郎も、松井ホームランカードの登録会員になった。

 松井が大リーグに移籍しても、ホームランカードは日本での本数を引き継いで継続発行されることになった。
 今日届いたのは、大リーグ2年目の4月~6月分のホームランカードの申し込み書だ。

 万太郎の名前が印刷された郵便物を手にすると、まだどこかに生きているような気がする。

 ここ数日、だれもいないキッチンのナベが、ひとりでに床に落ちて転がるという不思議が、2度も起きた。
 ナベが落ちたのはいずれも、万太郎の食事のための皿を置いていた場所だ。

 万太郎は、まだこのあたりにいるに違いない。 
 
         
朝刊1面最初の3文字 朝日‥「社会保」 毎日‥「旧日本」 読売‥「日本歯」 日経‥「日本経」 

本日の地球 中国で赤ちゃん118人を売買していた医療従事者ら6人に死刑。ほとんどが女の赤ちゃんだったという。売買の中身も刑罰もスケールが違う。

21世紀の残り日数 35222日

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