2016/07/20

梅雨明けはまだき あさがほ乱れ咲く

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なにか思ふ なにかは嘆く 世の中は 
            ただあさがほの 花の上のつゆ

            新古今和歌集 詠み人知らず

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2016/04/23

我がベランダの藤

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我が宿の時じき藤の めづらしく 今も見てしか 妹(いも)が笑(ゑ)まひを  大伴家持


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2016/01/13

紅梅白梅

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東京は平年より27日遅き初氷とや。

べらんだに紅梅白梅の花開く。


君ならでたれにか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る 友則

ひとりのみながめて散りぬ梅の花知るばかりなる人は問ひ来で 八条院高倉


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2015/09/18

都内でタヌキに遭遇

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東京23区も北西部に位置するこのあたり、公道にてタヌキらしきものに遭遇したるは、現なりや幻なりや。

住宅街をうろうろ散歩したると見るや、いきなり道路を100メートルも疾走し、こちらと思へばまたあちら、変幻自在に動き回りたり。

通行人や学校帰りの小学生たちも、「あな、タヌキの居るぞよ」と足を止めて見守りたるは。

ネットにて調ぶれば、こはハクビシンやアライグマにあらずして、タヌキの特徴なむほぼ備へたる本物のタヌキらし。

都心にタヌキの出没すること、しばしばあるとぞ。

永田町界隈にも、悪質なるタヌキども、あまた出没したるとのウワサしきりなり。

くれぐも化かされぬよう、みなの衆、ご用心ご用心。


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2015/03/13

枝垂れ桜と紅白梅

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我が家の、枝垂れ桜と、紅白梅、ともにいま満開なり。

ささやかなれど、これまさに Spring has comeなるぞかし。


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2015/02/16

ちひさき春

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ベランダの梅、花開きたり。

こぞの睦月ころに贖ひ、花開きて花閉じたる後、夏も秋も冬も、毎日欠かすことなく水遣りたれば、いまかうして花なむ付けたる。

歳歳年年花相似たり。花は律儀にて正直なるぞかし。

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2014/04/19

藤の花房、紫の咲き誇れる

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バルコニーの藤の花、いままさに満開となりて、花房の見事に咲きこぼるる。
紫の色、今様にてはほとど目にすることのなきに、かくも胸ときめく妖しの色なるや。


あかねさす 紫野行き標野行き 野守は見ずや 君が袖振る(額田王)

紫草(むらさき)の にほえる妹を 憎くあらば 人妻ゆゑに 我(あ)れ恋ひめやも(大海人皇子の返歌)


花も、糸も、紙も、すべてなにもなにも、紫なるものは、めでたくこそあれ。(枕草子)

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2014/03/24

春の陽気に桜花咲ける

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記録的な大雪と寒波の冬もつひに終焉を迎へ、やうやう春本番の到来を知る。

桜の鉢植ひとつ贖ひ来てバルコニーに置く。

暖地桜桃てふ種類にて、花の後に赤きさくらんぼの実り、食することも可なりとや。

このちさき桜の樹に、けふの陽気で数輪の花ぞ開花したる。

春うらら。部屋の前の、ささやかなお花見も、また格別の趣なり。

さくらんぼの実るころは、はや初夏の季節かとぞ。

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2014/02/15

雪中梅花

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有色易分残雪底 (色有つては分ち易し残雪の底)


無情難弁夕陽中 (情無くしては弁へ難し夕陽の中)


                     前中書王(和漢朗詠集)


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2013/05/01

東京の街路樹に、さくらんぼの実れる頃

130501a余の家近き幹線道路沿ひ、あまたの街路樹続く中に、1本のみ不思議の桜の木ぞ立てる。

ソメイヨシノの開花より半月も早き3月初めに花開き、10日ほどで葉桜となりぬ。

何てふ種類の桜ならむと訝れど、仔細は分からぬまま、やがて大型連休を迎へたり。

先日ふと、その木を見上ぐれば、赤々と色付きたるサクランボなむ、山ほど実を結びたるは。

東京23区の中なれど、こは山形のサクランボ園かと見まがふほど、見事に鈴なりとなれり。


「さくらんぼの実る頃」という歌のあるを知るや。

作詞者のジャン・バチスト・クレマンは、詩人にして社会主義者。パリ・コンミューンの評議員なりけり。

1871年3月、ヴェルサイユ軍に包囲されしコンミューンにて、負傷せる戦士たちの介抱にあたれる若き看護婦ルイーズの姿になむ、クレマンはいみじう感銘を受くる。

コンミューンは2カ月で崩壊し、戦士たちの多くは「血の週間」と呼ばれたる大虐殺にて命落とし、ルイーズもまた犠牲となりけるとぞ。

クレマンは「さくらんぼの実る頃」の歌詞の3番までを書きつるに、4番の歌詞を書き足して、この歌をルイーズに捧げたり。

普仏戦争の敗北とコンミューンの崩壊の中、失意にくれたる市民たちの間で歌はれ始めたるが、この「さくらんぼの実る頃」なり。

以来、この歌ぞフランスの労働者や下町の人々のシャンソンとして、歌ひつがれたる。

宮崎駿監督の「紅の豚」の中で、ホテル・アドリアーノの美しきマダム・ジーナが、「さくらんぼの実る頃」を歌ひたる。

ジーナ役の声優は加藤登紀子なりて、映画の中で切々と歌ひ上げるこの歌は、アニメ史上に残れる、というよりも日本映画史に残れる絶唱なるぞかし。

加藤登紀子の夫は元学生運動の活動家なりて、獄中結婚したること、あまねく知られたり。

マダム・ジーナになりきりてこの歌を歌ふ加藤登紀子には、コンミューンの戦士たちと夫がどこかで重なりたるに相違なきや。

その夫は、2002年の7月、享年58歳にて肺がんのため他界せる。

さくらんぼの実るこの季節、加藤登紀子は静かにこの歌を口ずさみ居るやも、と余は想像す。

以下は、クレマンが書き足したる4番の歌詞の文語訳なり。

我は、さくらんぼの実る季節を、永遠に愛でむ。

我の心に傷口のいみじう開きしは、この季節からなりき。

たとへ、さいはひの女神なりとも、我の苦しみを閉ざすこと、決して能はじ。

我は、さくらんぼの実る季節と、心に抱くこの思ひ出を、永遠に愛でむ。

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